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紀元前から続くヨーグルトの歴史と効果・効能|日本と世界の発展史

2025 9/23
食文化
09.23.2025
古代人が今代のヨーグルトを食べているイラスト

ヨーグルトは、世界中で愛されている発酵乳製品の代表格です。その歴史は人類が牧畜を始めた時代までさかのぼり、偶然の発酵から生まれたと考えられています。数千年にわたって各地で独自の発展を遂げ、栄養価や保存性、そして特有の酸味によって人々の生活に根付いてきました。本記事では、紀元前から現代までのヨーグルトの歩みを、日本と海外の歴史を交えて解説し、あわせてその効果・効能についても事実に基づき紹介します。

目次

ヨーグルトの効果と効能、そして歴史をたどる

ヨーグルトは、乳を乳酸菌や酵母で発酵させた発酵乳製品の一つです。原料となる乳は牛だけでなく、山羊、羊、水牛、馬、ラクダなどさまざまな草食動物から得られます。発酵によって生じる酸味や風味に加え、生乳より保存性が高まることから、古代より世界各地で広く利用されてきました。世界には400種類以上の発酵乳が存在するといわれ、地域や気候に応じて多様な製法が育まれています。
ヨーグルトの起源は、紀元前7000〜8000年頃までさかのぼると考えられています。家畜として羊や山羊が飼われ始めた西アジアや東地中海地域では、搾乳した乳を木桶や革袋に保存する習慣がありました。その過程で自然界の乳酸菌が入り込み、乳が発酵してヨーグルト状の食品が偶然生まれたとされています。この発酵乳は風味がよく、保存性に優れ、栄養価の高い食品として重宝され、各地に定着していきました。
古代メソポタミアでは、紀元前3000年頃のシュメール人が石板に牛乳搾りからバター作りまでの様子を刻んでいます。紀元前2000年頃、バビロン文化を築いたアムル人は家畜の乳から作った発酵乳を食料や薬として利用していました。また、中央アジアの遊牧民は馬や羊の乳を発酵させた飲料「クーミス」を常用し、13世紀頃のモンゴルでは戦場に赴く際に軍旗にふりかけて必勝を祈る習慣もあったと伝えられています。
ブルガリアでは、古代トラキア人が羊乳から作ったヨーグルトを食していたと古代ギリシャの歴史家ヘロドトスが記しています。11世紀には「yoghurt」という綴りが使われるようになり、語源はトルコ語の「攪拌する」という動詞に由来するとされます。ブルガリアの伝統製法では、スターターがない場合、ドリャンという植物の葉や枝を乳に浸し、付着した乳酸菌を利用して発酵させていました。実際、ブルガリアの植物からヨーグルトの主要乳酸菌である Lactobacillus bulgaricus と Streptococcus thermophilus が検出された例もあります。

ヘロドトスの胸像の画像
ヘロドトス|Marie-Lan Nguyen (2009), パブリック・ドメイン, リンクによる

日本への伝来と発展

日本では、飛鳥時代に大宝律令の記録に牛乳を宮中に供出させた例があり、奈良時代には「酪」「酥」「醍醐」といった乳製品が存在しました。このうち「酪」がヨーグルトに近い食品と推定されています。しかし、その後は乳製品の文化が途絶え、再び登場するのは明治時代になってからです。1894年頃には売れ残った牛乳を発酵させた「凝乳」が販売され、これが国内初の製造例とされています。
1917年、広島のチチヤスが日本で初めてパッケージ化されたヨーグルト「チヂヤスヨーグルト」を発売しました。加糖タイプで薬に近い高級品でしたが、これが本格的なヨーグルト製品の先駆けとなりました。その後1970年には日本初の飲むタイプ「ヨーク」が登場し、翌年には明治乳業(当時)が大阪万博でブルガリア館のヨーグルトを参考に「明治プレーンヨーグルト」を発売しました。1973年には「明治ブルガリアヨーグルト」と改称され、全国的に普及が進みます。
1990年代以降は多様化が進みます。1994年には森永乳業が「アロエヨーグルト」を発売し、食感と風味の新しい組み合わせを提案しました。1996年にはタカナシ乳業が生きたまま腸に届くLGG乳酸菌入りヨーグルトを特定保健用食品として認定され、2000年には明治が胃に着目した「LG21」を発売し、機能性ヨーグルト市場の先駆けとなりました。2008年には岩泉乳業が大容量アルミパウチ入りヨーグルトを開発、2011年には森永乳業が日本初のギリシャヨーグルト「パルテノ」を発売するなど、製品の幅は一層広がっています。

コラム:ヨーグルトの効果と効能

ヨーグルトには整腸作用があり、乳酸菌の代謝物が腸内環境を改善します。乳酸菌そのものは腸内に定着しませんが、在来の有用菌を増やし、腐敗菌を減少させます。ビフィズス菌のように胃酸や胆汁酸に耐え、大腸に届いて定着する菌種もあります。また、発酵過程で乳糖が分解されるため、乳糖不耐症の人でも牛乳より摂取しやすくなります。さらに発酵によりビタミンC量がわずかに増えることも知られています。
ただし、乳製品は飽和脂肪酸を多く含むため、過剰摂取は避け、1日50g程度が推奨される場合があります。また、「免疫力向上」や「アレルギー改善」といった効果は、ヒト臨床試験で必ずしも一貫した結果が得られていないため、過大な期待は避けるべきです。

世界の多様な発酵乳

世界各地には地域独自の発酵乳があります。インドの「ダヒ」、ロシアの「ケフィール」、トルコの塩入り飲料「アイラン」、ギリシャの水切りヨーグルト「サコーラス」など、それぞれ原料や製法が異なり、食文化に根付いています。これらは料理や飲料として多様な形で利用され、ヨーグルトの発展に影響を与えてきました。ヨーグルトは、その長い歴史と地域ごとの工夫を経て、現代では健康食品としての位置づけとともに、日常の食卓に欠かせない存在となっています。


ヨーグルトは紀元前から存在し、乳酸菌による自然発酵によって偶然生まれた食品です。保存性と栄養価の高さから古代文明や遊牧民の生活に欠かせない存在となり、ブルガリアやトルコをはじめとした地域で伝統的製法が受け継がれてきました。日本では明治時代に再び乳文化が広がり、20世紀後半には製品の多様化とともに一般家庭にも定着しました。近年では機能性ヨーグルトや地域独自の製品も登場し、健康志向とともに市場は拡大を続けています。長い歴史の中で、ヨーグルトは単なる食品を超え、世界の食文化と健康習慣を支える存在となっています。

オリジィだよ!へぇ〜、ヨーグルトってただの朝食のお供じゃなかったんだね。紀元前から世界を旅して、日本ではチチヤスやブルガリアヨーグルトが文化を作ったなんて、ちょっとロマン感じちゃうな。僕も今度は“スターター”になってみようかな…って、それは菌の話か!

参考文献: Jstage / Wikipedia / HAKKO! /  meiji / KOEI SCIENCE / J-milk / みんなのヨーグルトアカデミー

食文化
明治時代 紀元前 飛鳥時代 食品
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