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かき氷の起源と日本での歴史的変遷|平安時代の削り氷から近代の普及まで

2025 9/23
食文化
09.23.2025
昔の人が現代のかき氷を食べている様子のイラスト

かき氷は日本の夏を象徴する代表的な冷菓として親しまれていますが、その起源は日本に限られたものではありません。氷を削ったり砕いたりして甘味を加えて食する文化は、古代の西洋および東洋においても確認されています。
最も古い例としては、古代ギリシャやローマ時代における氷の利用が挙げられます。氷や雪を氷室のような場所で保存し、夏場に取り出して果実や蜂蜜をかけて食す習慣があったと記録されています。また、紀元前330年ごろにはアレキサンダー大王が兵士たちに果汁と蜂蜜を加えた冷たい飲み物を与えていたという記録もあります。
一方、東洋に目を向けると、中国では「刨冰(バオビン)」と呼ばれる氷菓の文化があり、台湾では「剉冰(ツォービン)」と表記されるものが普及しています。これらもいずれも削った氷に甘味を加えて食べるものであり、日本のかき氷に類似する存在といえます。
このように、かき氷の起源を辿ると、世界各地で古くから氷に甘味を加えて食す文化が存在していたことがわかります。かき氷はその派生の一つであり、日本では独自の歴史と発展を遂げてきました。

目次

日本における最古の氷利用と氷室の存在

日本における氷の利用は、古代にまでさかのぼります。最古の記録としては、『日本書紀』において氷室の存在が記されています。氷室とは、冬に採取した氷や雪を夏まで保存するための施設であり、貴族や天皇に献上する目的で用いられていました。
具体的には、奈良県天理市に国内最古の氷室が設けられ、そこに貯蔵された氷が平城宮に献上されたという記録があります。氷室は主に山間部の洞窟や地中に掘られた穴などを利用して作られ、断熱効果を高めるために藁や木の葉で覆われていました。
このような氷室の技術によって、夏でも氷が得られるようになりましたが、その利用はあくまで上流階級に限定されたものであり、庶民が氷を手に入れることは困難でした。

平安時代に記録された「削り氷」

日本でかき氷に類する食べ物が文献に初めて登場するのは平安時代です。清少納言が記した『枕草子』において、「削り氷(けずりひ)」という記述が確認されています。
『枕草子』の「あてなるもの(上品なもの)」の段では、「削り氷に甘葛(あまづら)入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる」と記されています。この文は、氷を刃物で削り、それに甘葛と呼ばれる蔓草の樹液をかけ、金属製の器に盛り付けた料理として「削り氷」が紹介されたものです。
この削り氷は、現在のかき氷と同様に冷たさと甘さを楽しむものでしたが、氷を得る手段が限られていた当時においては、貴族階級の限られた人々しか口にできない極めて貴重な食べ物でした。

江戸時代における氷の流通と一般化への道

江戸時代には、加賀藩から将軍家へ氷室の氷を献上する慣わしが存在しており、これは毎年6月1日(旧暦)に行われていたと記録されています。また、明治時代になると天然氷が一般に販売されるようになり、大正時代にかけて冷蔵用の需要が増加したことから、北陸各地に新たな雪室が作られるようになりました。
その一方で、明治30年代からは機械氷が天然氷を代替するようになり、冷凍施設の整備とともに、昭和初期には雪室の廃止が進みました。さらに、昭和30年代以降の電気冷蔵庫の普及により、昭和37年頃には雪室のほとんどが姿を消しました。
このような流れの中で、氷の保存と流通は確実に進化し、一定の需要とともに、商業的利用もなされていたことがうかがえます。

明治時代の製氷技術と「氷水店」の登場

かき氷が庶民の間に本格的に普及し始めたのは、明治時代に入ってからです。
1869年(明治2年)には、横浜・馬車道に日本初のかき氷専門店が登場しました。この店舗は「氷水店」と呼ばれ、細かく砕いた氷にシロップをかけたものや、アイスクリーム(当時は「あいすくりん」とも表記)を販売していたということです。
1872年(明治5年)には、日本で初めて人工氷を製造する技術が導入され、氷が大量生産できるようになりました。これによって、氷の価格が下がり、広く流通するようになりました。
この時期のかき氷は、見た目や味は現代のものと類似していましたが、一般庶民にとってはまだ目新しい存在であり、当初はあまり人気が出なかったとされています。しかし、製氷技術の向上とともに、次第に受け入れられていきました。

氷削機の発明と全国への普及

かき氷の普及に大きな役割を果たしたのが、氷削機の登場です。1887年(明治20年)には、村上半三郎によって手動式の氷削機が発明され、かき氷を作る工程が大幅に効率化されました。
この氷削機は、昭和初期には日本全国に普及し、屋台や商店街などで手軽にかき氷が提供されるようになりました。特に昭和30年代から40年代にかけては、家庭用のかき氷機も普及し、夏の定番デザートとして多くの家庭で親しまれるようになりました。
このようにして、氷を削って甘味を加えるという文化は、もともとは平安時代の貴族の嗜好品だったものが、明治・昭和を通じて徐々に庶民の手の届く存在となり、夏の風物詩として定着していったのです。

「かき氷」という名前の由来と変遷

かき氷は、古くは「削り氷(けずりひ)」と呼ばれていましたが、時代が下るにつれて現在の名称が定着しました。呼称の変遷についてはいくつかの説が存在しますが、いずれも文献に基づいて明記されている情報のみを紹介します。
一説では、「かき氷」の「かき」は「欠き」、すなわち砕く、または削るという意味に由来するといわれています。また、関東地方で用いられていた「ぶっかきごおり」という方言が転じたともされております。対して西日本では「かちわり氷」という呼称も存在し、地域によって呼び方に違いが見られます。
さらに、「氷水(こおりすい)」という名称も明治時代に流通していました。これは現在の「かき氷」とほぼ同義であり、氷に甘味料を加えて提供する形態の呼称として用いられていました。

世界における類似の氷菓文化

かき氷に類似する氷菓は、日本以外にも世界各地で古くから存在しています。これらはそれぞれの気候・文化的背景に応じて発展してきました。
台湾では「雪花氷(シュエファービン)」と呼ばれるデザートがあり、削った氷にフルーツや甘いソースをかけて食べる形式で提供されています。韓国には「パッピンス」という、氷に小豆や果物、ゼリーなどをトッピングしたスタイルがあります。また、ハワイでは「シェイブアイス」として親しまれており、レインボーシロップなどが特徴です。
ヨーロッパでも、イタリアには「グラニータ」という、粗く砕いた氷に果汁やシロップを加えた氷菓があります。これらの存在は、氷を冷却手段としてのみならず、甘味を加えて嗜好品として楽しむ文化が世界中に広がっていたことを示しています。


かき氷は、日本国内においては平安時代の文献にその存在が確認されていますが、そのルーツを世界規模で見れば、古代ギリシャ・ローマ、中国など、各地で氷を食す文化が発展していたことがわかります。したがって、「かき氷」という形態が日本独自に誕生したというよりも、氷菓という広義の食文化の中で、日本特有のスタイルとして発展したものであるといえます。
平安時代の削り氷に始まり、江戸時代の流通技術の進歩、明治以降の製氷機・氷削機の導入とともに、かき氷は次第に大衆化し、現在に至るまで夏の定番菓子としての地位を確立しています。名称の由来や類似文化の存在も、かき氷が一国一地域に留まらない広い背景を持つことを裏付けています。
今後もかき氷は、その起源と歴史を踏まえつつ、技術や素材の進化とともに新たなかたちへと発展していくことでしょう。

オリジィだよ!かき氷って、もともと平安貴族の贅沢品だったんだね。氷室から屋台、そして今の進化系スイーツまで…歴史を知ると、一口がちょっと特別に感じるよ。

参考文献: Amina Flyers /Wikipedia / Benesse / おけいこkids

食文化
平安時代 明治時代 江戸時代 食品
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