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Adobeの歴史を解説|PostScriptからIllustrator・Photoshop・PDFまでの開発と発展の軌跡

2025 11/10
社会・ビジネス
11.10.2025
PCのディスプレイにadobeと表示されているイラストの画像

デザインや印刷、写真編集、PDF書類のやり取りなど、クリエイティブやビジネスの現場で広く使われているソフトウェア群。IllustratorやPhotoshop、PDFといったツールは、その多くが「Adobe(アドビ)」という企業から生まれました。では、このAdobeという会社は、どのようにして誕生し、世界中で使われる製品を次々と生み出していったのでしょうか。

目次

アドビの創業:ゼロックスPARCからの独立

Adobe Inc.は、1982年12月にアメリカ・カリフォルニア州で設立されました。創業者はジョン・ワーノック(John Warnock)とチャールズ・ゲシキ(Charles Geschke)で、両者はそれまでゼロックスの研究機関であるパロアルト研究所(Xerox PARC)に所属していました。
当時のPARCでは、「InterPress」というページ記述言語の開発が進んでいましたが、これを市場に投入する提案がゼロックス社内で却下されたことがきっかけとなり、両者は同研究所を離れて独立します。これがアドビ創業の直接的な起源です。

ジョン・ワーノックの写真
ジョン・ワーノック|Marvalous – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
チャールズ・ゲシキの写真
チャールズ・ゲシキ|Schmiebel – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

社名の由来と意味

「Adobe(アドビ)」という社名は、ジョン・ワーノックの自宅の裏を流れる「アドビ・クリーク(Adobe Creek)」という川にちなんで命名されました。この川はカリフォルニア州ロスアルトスにあり、創業地の近隣に存在していました。

最初の製品:PostScriptによる印刷技術の革新

アドビが最初に開発した製品は「PostScript(ポストスクリプト)」です。これはコンピュータとプリンタの間で、高解像度なテキストと画像を正確に表現できるページ記述言語でした。
この技術は1985年、Apple社のレーザープリンター「LaserWriter」に採用され、商業的成功の第一歩となります。スティーブ・ジョブズはPostScriptの将来性に注目し、アドビにライセンス契約料を前払いする形で支援を行いました。
PostScriptの採用によって、デスクトップパブリッシング(DTP)の概念が普及し、印刷業界に大きな変化をもたらしました。

Illustratorから始まるグラフィックソフト開発

PostScriptの成功に続き、アドビは1986年に「Adobe Illustrator」の開発を開始しました。これはベクター形式のドローイングソフトで、1987年にMac版として初めてリリースされました。
Illustratorは、グラフィックデザインやイラスト制作において当時としては先進的なツールであり、アドビのソフトウェア事業の柱となっていきます。

Illustrator 1.xの起動画面の画像
出典:WinWorld

Photoshopの起源とアドビによる製品化

アドビが開発したわけではないものの、今日のAdobeブランドを象徴する製品のひとつに「Photoshop」があります。このソフトは、トーマス・ノールとジョン・ノール兄弟によって1987年に原型が開発されました。
当初は独自に販売が模索されていましたが、1988年にアドビがライセンスを取得し、1990年に「Adobe Photoshop 1.0」として製品化されました。
Photoshopはラスター画像編集ソフトとして、写真加工、デジタルアート、広告制作など幅広い分野に浸透し、現在も世界中で使用され続けています。アドビにとって、Photoshopの商用化はソフトウェア事業の拡大に大きく貢献しました。

Photoshop 1.xの起動画面の画像
出典:WinWorld

PDFの開発と「Camelotプロジェクト」

1991年、ジョン・ワーノックは「Camelot」という構想を発表しました。これは「どんなアプリケーションで作られた文書でも、あらゆる機器で表示・印刷できる電子文書フォーマット」を目指すものでした。
このプロジェクトは後に「PDF(Portable Document Format)」として実現し、1993年に「Adobe Acrobat」とともに市場に投入されます。PDFは電子文書の標準フォーマットとして普及し、ビジネス、教育、行政など多くの分野で使用されています。

Acrobat 1.xの起動画面の画像
出典:WinWorld

社名の変更と現在の位置づけ

アドビは設立当初「Adobe Systems Incorporated」という社名で活動していましたが、2018年に現在の「Adobe Inc.」に社名変更されました。これはソフトウェア企業としてのブランド簡素化と再定義を目的としたものでした。
アドビ株式会社は日本法人として現在も事業を継続しており、Creative CloudやDocument Cloudなど、クラウドベースの製品群を展開しています。

ジョン・ワーノックの功績とその後

ジョン・ワーノックは創業後、AdobeのCEOとして製品開発をリードしました。彼の主導のもとでPostScript、Illustrator、PDFなどが生み出され、DTPや電子出版の普及に大きく貢献しました。
2001年にCEOを退任し、2017年まで共同会長を務めた後もAdobeの成長に関与していました。2023年8月、82歳で逝去しました。


Adobeの創業は、既存の枠組みにとらわれず、技術を社会に実装するという強い意志から始まりました。PostScriptによる印刷の革新、IllustratorやPhotoshopによる表現手段の拡張、PDFによる情報共有の進化——それらはすべて、ひとつの信念に根ざしています。Adobeの歩みは、「すべての人に創造の力を」という信念とともに進化してきました。自由で、美しく、正確な表現。その一つひとつが、私たちの“つくる力”を支え続けています。

職業柄アドビ製のソフトは毎日使用しています。自分が使い始めた頃と比べると随分と多機能になり、基礎を押さえておかないと宝の持ち腐れ的に感じちゃいますね。今は毎年アップグレードされていくので、ユーザーとしては嬉しいですが、使いこなせていない感がかなり出てきました。

オリジィだよへぇ〜、アドビって最初はゼロックスの研究所から飛び出してできたんだね!なんか「世に出したいのに出せない技術」を、自分たちで形にしちゃうって…かっこよすぎるでしょ。PostScriptとかPDFとか、普段よく見るやつが、こんな熱いストーリーから生まれてたなんて知らなかったなぁ。表現の自由って、技術だけじゃなくて、意志からも始まるんだなって思ったよ。

参考文献: Wikipedia / Visualwebz

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身近な言葉やモノ、サービス、社会のしくみにある「はじまり」をたどります。何気なく使っている当たり前の裏側には誰かの最初の発想や挑戦があり、その背景を知ることで日常が少し違って見えてくるかもしれません。
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